山梨県犬管理条例


(昭和四十七年三月三十日)
(山梨県条例第五号)
改正 昭和五六年 三月二八日条例第 七号
平成 四年 三月二四日条第二五号

山梨県犬管理条例をここに公布する。

  山梨県犬管理条例

(目的)
第一条 この条例は、飼い主の責務を明確にすることにより飼い犬の管理を適正にし、犬が人畜その他に加える危害を防止するため必要な取締りを行ない、もつて社会生活の安全を確保することを目的とする。

(定義)
第二条 この条例において次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 一 飼い主 犬の所有者(所有者以外の者が飼養管理する場合には、その者)をいう。

 二 飼い犬 現に飼養管理されでいる犬をいう。

 三 野犬 飼い犬以外の犬をいう。

 四 けい留 人畜その他に危害を加えないように、飼い犬を丈夫な網、鎖等で固定的な施設又は物件につなぐことをいう。

(市町村の責務)
第三条 市町村は、この条例の目的が達成されるよう管内の犬の管理及び取締りについて努力するものとする。

(飼い主の責務)
第四条 飼い主は、犬を適正に管理するため次の各号に掲げる事項を守らなければならない。

 一 常に愛情を持つてその飼い犬を飼養管理すること。

 二 飼い犬の飼養の場所を常に清潔にし、飼い犬の健康管理に留意すること。

 三 飼い犬に対して、常にけい留その他のしつけが守られるように努力すること。

 四 飼い犬が人畜その他に危害を加えないように管理すること。

(けい留の義務)
第五条 飼い主は、飼い犬を常にけい留しておかなければならない。ただし、次の各号に掲げる場合は、この限りでない。

 一 飼い犬をおり又は囲い等の障壁の中で飼養するとき。

 二 飼い犬を警察犬、狩猟犬、牧用犬、盲導犬又は運搬犬としてその目的のために使用するとき。

 三 飼い犬を展覧会、競技会、サーカス等の催しに供するとき。

 四 飼い犬を人畜その他に危害を加えるおそれのない場所又は方法で飼養し、訓練し、移動し、又は運動させるとき。

(犬を飼養している旨の表示)
第六条 飼い主は、住居の出入口等人の見やすい個所に、規則で定めるところにより、犬を飼養している旨を表示しなければならない。

(遺棄の禁止)
第七条 飼い主は、その飼い犬を捨ててはならない。

(届出の義務)
第八条 飼い犬が人畜をかんだ場合に、その飼い主がこれを知つたときは、直ちにその飼い主の居住地を管轄する保健所長に届け出なければならない。

 2 犬にかまれた者は、もよりの保健所長にその旨を届け出なければならない。

(措置命令)
第九条 知事は、飼い犬が人畜に危害を加えるおそれがあると認めるとき、又は第五条の規定によるけい留が適当でないと認めるときは、飼い主に対しその犬に口輪をつけ、又は鎖を太くすること等必要な限度においてその危害を防止するための措置をとることを命ずることができる。

(県が行なう野犬等の抑留)
第十条 知事は、野犬又は第五条の規定に違反してけい留されていない飼い犬(以下「野犬等」という。)を捕獲し、及び抑留することができる。

2 知事は、前項の規定により野犬等を抑留したときは、飼い主の知れているものについては、その飼い主に引き取るべき旨を通知し、飼い主の知れていないものについては、規則で定めるところによりその野犬等を捕獲した場所を管轄する保険所の掲示場に二日間公示するものとする。

3 知新は、飼い主が前項の通知を受け取つた後又は前項の公示期間満了の後一日以内にその野犬等を引き取らないときは、これを処分することができる。ただし、やむを得ない事由により、この期間内に引き取ることができない飼い主からその旨及び相当の期間内に引き取るべき旨の申出があつたときは、その申出のあつた期間が経過するまでは、処分することができない。

(県が行なう野犬等の薬殺)
第十一条 知事は、野犬等を通常の方法によつては捕獲することが困難であると認めるときは、区域及び期間を定めて薬物を使用し、これを薬殺することができる。この場合においては、当該区域及びその近傍の住民に対し、あらかじめ、野犬等に薬物を使用する旨を周知しなければならない。

2 前項の規定による薬殺及び住民に対する周知の方法は、規則で定める。

(市町村が行なう野犬等の措置)
第十二条 市町村は、当該市町村の条例の定めるところにより、その区域内において野犬等が人畜その他に危害を加え、又はそのおそれがある場合で緊急にこれを排除する必要があると認めるときは、当該市町村長をして第十条及び前条に準じた措置をとるべきものとすることができる。

(立入検査)
第十三条 知事は、この条例の目的を達成するため必要な限度において、当該職員をして飼い犬のいる土地その他関係のある場所に立ち入り、調査させ、又は関係者に質問させることができる。

2 前項の場合において、当該職員は、その身分を示す証票を携帯し、関係者の請求があつたときは、これを提示しなければならない。

(手数料)
第十四条 飼い主は、第十条第一項の規定により抑留された飼い犬の抑留中に要する費用に対し、一頭一日につき三千円内で規則で定める額の手数料を納付しなければならない。
  (昭五六条例七・一部改正)

(罰則)
第十五条 第九条の規定による措置命令に従わない者は、三月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

2 次の各号の一に該当する者は、十万円以下の罰金に処する。

 一 第五条又は第七条の規定に違反した者

 二 第八条第一項による届出をしなかつた者

 三 第十三条第一項の規定による調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又は質問に対し虚偽の陳述をした者
  (平四条例二五・一部改正)

(両罰規定)
第十六条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の義務に関し前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して、前条の罰金刑を科する。

(実施規定)
第十七条 この免例に別に定めるもののほか、この条例の実施に関し必要な事項は、規則で定める。

   附 則

(施行期日)

1 この灸例は、昭和四十七年五月一日から施行する。

(旧条例の廃止)
2 山梨県犬取締条例(昭和四十三年山梨県条例第十一号。以下「旧条例」という。)は、廃止する。

(経過規定)
3 この条例施行の際、旧条例の規定によりなされた措置命令又は届出その他の行為については、この条例の相当規定によりなされた措置命令又は届出その他の行為とみなす。

4 この条例施行前にした違反行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

  附 則(昭和五六年条例第七号)

(施行期日)

1 この条例は、昭和五十六年四月一日から施行する。

(経過措置)
2 第五条の規定による改正後の山製県犬管理条例第十四条の規定は、この条例の施行の日以後に抑留された飼い犬について適用し、同日前に抑留された飼い犬については、なお従前の例による。

  附 則(平成四年条例第二五号)

(施行期日)
1 この条例は、平成四年五月一日から施行する。

(経過措置)
2 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用についてなお従前の例による。

第六編 衛生 第四章 環境衛生(山梨県犬管理条例)


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